蜷川幸雄演出/さいたまネクスト・シアター『美しきものの伝説』2011年01月25日 19時10分39秒

『真田風雲録』から1年余り。さいたまの若い演劇集団の二度目の公演に蜷川が選んだのは、大杉栄らが登場する大正時代を背景とした群像劇。初演は1968年、これもまた70年安保に向けて騒然としていた時代の空気や当時の若者たちの姿が重ね合わされる戯曲だ。巨匠のネクストシアターへの一貫した挑発。今回、横田栄治や原康義、飯田邦博らがゲストとして加わっていることも、単に上演する舞台の質を上げることだけが目的ではなく、若い役者たちに甘えを許さないためだろう。

そうした厳しい姿勢と同時に、無名の彼らに対しても演出家としての全力を尽くすのが蜷川の愛。本作のオープニングとエンディングは近年の蜷川作品の中でも屈指の美しさ。ゴールドシアターの役者も一部加わり舞台に深みを与える。

ネクスト役者陣の風貌にはまだまだ厚みが足りないが、大杉の妻、伊藤野枝を演じた深谷美歩が、屈託のない明るいエネルギーで説得力あり。

12月19日@彩の国さいたま芸術劇場インサイド・シアター

コメント

トラックバック