平田オリザ+石黒浩研究室 ロボット版『森の奥』2010年09月02日 23時18分11秒

2008年秋にロボット演劇として『働く私』を試演した平田オリザと大阪大学の石黒研究室が、あいちトリエンナーレ2010でロボット版『森の奥』を上演。秀逸な舞台だった。

『森の奥』は08年春にベルギー王立フランドル劇場のために書き下ろしたものだそうだ。類人猿ボノボの研究者たちを通じて「人」というものを改めて考えさせる戯曲。そこに二人(?)のロボット“wakamaru” が加わってさらに多面的な様相に。

本格的ロボット演劇の世界初演とはいえ、新作ではない分、それを必要以上に押し出したものではなく、ロボット俳優たちがごく自然に物語の中に共存しているのが見事。ロボットたちの演技に、そこにあるはずのない心の動きを感じ取ってしまう。観ているうちに生身の俳優の演技とロボットたちの演技にどんな差異があるのか分からなくなってくる不思議な体験。

終盤の退場シーンでロボットの動きがスムーズさを欠いていたのだが、それが充電切れによるものだったことを平田オリザがアフタートークで明かしてくれた。オリザの厳しい演出のため、“wakamaru”は限界ぎりぎりで演技していたのだそうだ。倒れる寸前まで演じたロボット俳優を観ることができるとは!

本来ロボットたちが演じるはずだったラストシーンは、人間の俳優が代わって演じるバージョン(バックアップとして準備されていたらしい)になっていたが、これはこれで◎。

8月22日@愛知県芸術劇場小ホール